どんでん返しの魔術師?横山秀夫の「第三の時効」は秀逸

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横山秀夫さんは遅筆ですが、どの作品も抜群におもしろい。

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目次

「第三の時効」について

第16回山本周五郎賞候補作。

【あらすじ】
時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがある。F県警はこの間に容疑者を追いつめようと…。サスペンスとドラマ、警察小説の連作短編集。 (引用:集英社より)

登場人物は同じだけれど、各話で主人公が入れ替わる。
その主人公3人がまた、キャラ立っていて好き。

捜査第一課強行犯捜査一係

班長:朽木「青鬼」。捜査手法は「理詰め型」。

捜査第一課強行犯捜査二係

班長:楠見「冷血」。捜査手法は「搦手型」「謀略型」。公安あがり。女性に対して極めて辛辣。

捜査第一課強行犯捜査三係

班長:村瀬「天才」。捜査手法は「閃き型」「天才型」。動物的カンの持ち主。

この3人のキャラ設定と、それにピシッとハマるストーリーで各話それぞれ力のある短編になっているのがすごい。

「第三の時効」を読んでみて

こんなおもしろい短編はなかなかない!米澤穂信さんの「満願」も似たような雰囲気を感じました(内容はまったく似てはいないですよ!)。

横山秀夫作品は、どれもそれぞれにおもしろい。特に警察小説は僕好みのキャラクターが多いというか。たしかにキャラが作られた感がするときもある。でもそれが逆にテレビドラマ化しやすい・されやすい要因なんじゃないかと思っています。独断と偏見。

今回の『第三の時効』は短編で読みやすいし、各話とてもメリハリがある硬派な作品です。レベルがすごく高い横山秀夫作品の中でも、トップ3に入るおもしろさは間違いなし。とてもおススメ。

テレビドラマ化されたときの、
・朽木=渡辺謙
・楠見=段田安則
は思わず「すげーいいキャスティング!」と上から目線になっちゃった。

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