ライトな筆致が特徴な伊坂幸太郎さん。たくさんの面白い作品を書かれています。
作品に仙台市が登場する回数が多いのでてっきり仙台市出身かなと思っていましたが、千葉県松戸市出身なんですね。松戸と聞くと漫画「カメレオン」の“松戸苦愛(マツドクラブ)”をいまだに連想してしまう僕がいる…。
本について
設定としては、映画「オーシャンズ11」に似ているものの、伊坂幸太郎さん本人は泥棒について描きたかったので意識していないそう。とはいえ、「オーシャンズ11」みたいな設定は別に専売特許じゃなくてよくありますからね。
【あらすじ】
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス! (引用:amazonより)
2018年10月現在で、第3弾まで出版されています。
- 陽気なギャングが地球を回す 2003年
- 陽気なギャングの日常と襲撃 2006年
- 陽気なギャングは三つ数えろ 2015年
読んでみて
おもしろい。
それに尽きる。
いわゆるサスペンス系やシリアス系とは一線を画し、喜劇要素も含まれていながらしっかりとしたストーリー展開で、とても楽に読めます。設定通り、登場人物のキャラが立っていて、それ自体もおもしろく読めます。主人公成瀬の高校時代からの友人、響野なんて実際に周りにいたら「ウルセーよ!」と1日4回は言ってしまいそう。
第3弾まで読んだ中で、第1弾の『陽気なギャングが地球を回す』が一番おもしろかった。
サスペンスとか好きだけれど、ここまで軽妙に喜劇要素を入れつつ、ポンポンと進んでいく展開の気持ち良さを表現できている小説はないかもしれません。クライムサスペンス×コメディなのに、安っぽかったり見えないのは、“文才”に尽きるのでは。
「陽気なギャング」シリーズの公式サイトURLで知ったけど、英語では「a cheeful gang」と言うのね。なるほど。