長岡弘樹さんの「教場」がおもしろくて、「教場2」が出たのですぐ読んでまたおもしろかったものの「1に比べると…」と勝手に比較対象してしまって…
でも今回のスピンオフ作品は警察学校ではなく、捜査官だった頃の話だからおもしろそう!と奮い立たせ読んでみました。それが今作「教場0」。
いわゆる倒叙ミステリーといわれるもの。
「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のように、犯人主観で殺人が起き、刑事が追いこんでいくというタイプの推理小説ですね。
「教場0:刑事指導官 風間公親(長岡弘樹)」について
警察学校の教官として、生徒たちとの間で繰り広げられる問題をすさまじい観察力と思考で解決していく、警察学校初任科短期過程終了までのストーリー。
「教場1」「教場2」ともに、短期過程第98期と第100期が舞台。がしかし、今回はそれよりも前、主人公風間公親がカミソリ捜査官として活躍している頃に舞台を移しています。
【あらすじ】
第1話 仮面の軌跡
日中弓は、借金の肩代わりに芦沢健太郎と交際を続けてきた。大企業の御曹司から見初められ別れを告げるが、芦沢に二人の秘密を暴露すると言われる。第2話 三枚の画廊の絵
画廊を営む向坂善紀は四年前に離婚し、息子匠吾の親権を手放した。高校二年生の匠吾には、抜群の芸術的センスがある。本人も芸大進学を希望しているが、その夢を阻む者が現れた。第3話 ブロンズの墓穴
佐柄亜津佐の息子である小学三年生の研人は、学校でいじめに遭い、登校拒否になってしまった。だが担任の諸田伸枝は、いじめの存在を認めない。面会を拒否する諸田に、佐柄は業を煮やしていた。第4話 第四の終章
派遣社員の佐久田肇は、隣室に住む女優筧麻由佳の美しさに惹かれていた。その佐久田のもとへ、麻由佳が助けを求めてやってくる。彼女の部屋にで俳優の元木伊知朗が、自殺しようとしているというのだ。第5話 指輪のレクイエム
自宅でデザイン事務所を営む仁谷継秀は、認知症の症状が進む妻・清香の介護に疲れ果てていた。仁谷は五十歳、清香は七十歳。こんな日が来ることを覚悟はしていたが、予想よりも早かった。第6話 毒のある骸
国立S大学の法医学教授である椎垣久仁臣は、服毒自殺した遺体を司法解剖する際、事故を起こし、助教の宇部祥宏に大けがを負わせてしまった。事が公になれば、自らの昇進が流れてしまう。
「教場0:刑事指導官 風間公親(長岡弘樹)」を読んでみて
「教場2」で少しハードルが下がったためか、とてもおもしろかった!
先に事件も犯人も分かった上でストーリー展開していくものの、犯人ですら分からなかった被害者の言動や、解決に導く証拠などは、なるほどそういうことか!と納得。
その点でいうと、第5話「指輪のレクイエム」と第6話「毒のある骸(むくろ)」は良かった。
あと、第4話「第四の終章」の凶器は、ミステリー作家とはいえ、よくそういうの思いつくなぁと。さすがプロ。
2020年1月に木村拓哉さん主演でドラマ化されました。
そしてそれに合わせた?のか、シリーズ第3弾(通巻としては4作目)の「風間教場」が発売されています。
ちなみに、今作の各章のタイトルは「刑事コロンボ」のタイトルが元ネタらしい。
「刑事コロンボ」が好きとは言え、タイトルはほとんど覚えていないので、ググってみました。
- 第1話 仮面の軌跡←「仮面の男」?
- 第2話 三枚の画廊の絵←「二枚のドガの絵」?
- 第3話 ブロンズの墓穴←「権力の墓穴」?
- 第4話 第四の終章←「第三の終章」?
- 第5話 指輪のレクイエム←「偶像のレクイエム」?
- 第6話 毒のある骸←「毒のある花」?
久々に「刑事コロンボ」を観たくなってきた。