横浜みなとみらいに約600億円&2500席規模の新オペラ劇場を検討

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横浜市では、2018年10月に策定の「横浜市中期4か年計画 2018~2021」において、文化芸術の風土醸成や子どもたちの育成、にぎわい創出のため、新たな文化芸術の魅力を発信する劇場の整備を検討しています。

横浜市役所の文字看板写真

そしてこのたび、横浜市は新たな劇場整備検討委員会 第4回基本計画検討部会(9月23日開催)において、新たな芸術劇場を建設する際の試算が発表されました。

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目次

横浜の新たな芸術劇場に約600億円と試算

横浜みなとみらいに新たな芸術劇場を建設する検討委員会の資料
検討中の施設概要

地下1階・地上5階、約2,500席のホールで国内外のトップレベルのバレエやオペラが上演される芸術劇場の整備を、みなとみらい21地区61街区に行うとした場合、施設全体の建設費におよそ460億円設計費や地盤調査費におよそ20億円の合計およそ480億円の試算になると報告しました。

→【追記】2021年6月の市会で、総事業費は600億円以上(概算建設費約480億円、建設予定地の土地評価額約130億円)になると発表されました。

国内外の主要なバレエ団、オペラ団のトップレベルのパフォーマンスが可能となる舞台設備、大型スタジオ、リハーサル室などを備えた世界レベルの劇場としたいようです。

また劇場発のにぎわいづくりや横浜みなとみらいホール、横浜美術館と連携した芸術創造やフェスティバルなどの横展開も視野に入れる。と同時に舞台芸術の人材育成機能を劇場整備に併せて導入することで(特にバレエでは才能ある人材が海外に流出するケースが多い)、横浜の劇場が芸術の先導的役割を発揮し、ひいてはそれが持続的発展につなげられるとしています。

横浜みなとみらいに新たな芸術劇場を建設する検討委員会の資料
概算建設費の内訳

財源については、市費や国の補助金導入、民間参入も検討に入れています。

国内外のトップレベルのバレエ団、オペラ団の招聘が必要となるため、民間主導だけではなく、劇場(横浜市)が主体となり、諸外国との劇場ネットワークを活用し、積極的に実演団体を招聘する必要もあると考えています。

民間主導(民間資金の積極的投入)ではないとなると、やはりそれは税金ということになりますよね…。

横浜みなとみらいに新たな芸術劇場を建設する検討委員会の資料

ちなみに新しい劇場では、2,500席規模の施設を予定していますが、全国の類似劇場はこのような建設費だったようです。

近隣で言うと、2棟で一体運営されている県民ホールとKAATが似ているのでは?

神奈川県民ホール 本館/1975年開館
公演ジャンル:音楽、美術、式典などの公演
設備:大ホール2,493席、小ホール433席、大会議室240名、県内最大級のギャラリー、レストラン

KAAT 神奈川芸術劇場/2011年開館
公演ジャンル:舞台芸術
設備:中ホール1,262席、大スタジオ定員216名、中スタジオ・小スタジオ、アトリエ、NHK横浜放送会館
建設費用:約124億円
(土地取得は別)

新しく検討中の劇場
公演ジャンル:世界レベルのバレエやオペラを中心とした公演
設備:ホール2,500席、スタジオ、リハーサル室、にぎわい施設
総事業費:約600億円
(建設費約480億円、土地取得費約130億円)

建設候補地は横浜みなとみらい61街区(現ニッサンパビリオン)

全然決定の話ではありませんが、建設候補地は、みなとみらい61街区。

横浜アンパンマンこどもミュージアムの隣接地で、現在は期間限定でニッサンパビリオンが展開されている場所。

横浜みなとみらいに新たな芸術劇場を建設する検討委員会の資料

「西側矩形(くけい)敷地」と記載の場所(約3,000㎡)は、民間活力を導入し一体的なにぎわいづくりを予定している場所です。※矩形=長方形のこと

60街区(と61街区の一部)には世界最大級の音楽アリーナやホテルが一体となった「Kアリーナプロジェクト」、62街区にはラグジュアリーホテル&コンドミニアムや水族館が入る複合施設が予定されています。

横浜の新たな芸術劇場建設 まとめ

県民ホールをKAATが補完するよう公演ジャンルのすみ分けをしていますが、新しい劇場は、より世界的なバレエ・オペラの公演を常設…とまではいかないが、ホームタウン的に利用できるような芸術振興を考えているのでしょうね。

芸術振興・文化振興を積極的に掲げる姿勢は好きです。

利益だけを追うと公共事業としての意味を持たないし、公共だからこそできる事業もたくさんあるから。


だがしかし、これはコロナウイルス以前に出た話であるし、ましてやただでさえ財政的にも難しい局面を迎えている横浜市がやることなのか…?と疑問符が。

コロナ以前で、もっと安いとかなら「まだ」分かる。
または8割くらい民間主導(出資も民間8割)で、海外とのコネクションなどについては2割の横浜市が主導で招聘する…みたいな半官半民形態なら市民も納得する(かもしれないという可能性が限りなく低いがゼロではない)でしょう。

そもそも約480億円と言っていますが、十中八九もっと膨れ上がるでしょうね。実際に動き始めたら。

→【追記】2021年6月の市会で、総事業費は600億円以上(概算建設費約480億円、建設予定地の土地評価額約130億円)になると発表されました。

筆者:1201

調査費や設計料で20億円もかかるのか…。

資材の高騰(と言われたら何も言えない)などしょうがない面もあるのでしょうが、馬車道駅に移転した横浜市役所も2013年の試算から結局133億円くらい“パワーアップ”して、土地含めると900億円以上かかっている。

関内駅周辺に散らばる旧役所機能を馬車道駅の新市庁舎に集約することで、これまでかかっていた20億円もの賃借料を削減できるとか言っていたけれど、新市庁舎に入りきらなかった部署もあり、13もの部署が市庁舎外に間借りしている状況もどうかと思う(2020年9月現在)。

あとみなとみらいに建設の臨港パークと新港パークを接続する「女神橋」にいたっては、高さの計測不足で船が通れないことが発覚し、追加費用で橋のかさ上げを行った始末。

山下ふ頭のカジノを含むIRリゾートも諦めていない今、さらに480億円かけて劇場建設を強行できるとしたら…なかなかの肝っ玉ですよ。


何かにつけて「これ作るくらいなら中学校給食始めろよ!」と、実情や費用を知らずに批判する人は好きじゃないです。今回もそういう意見がネットには散見されます。

だって各学校に給食室を作る「自校調理方式」の場合、初期設備費用が約309億円、年間運営費が約50億円かかるんですよ!そんなお金ないですよ!

・・・ん?

・・・・・・あれ?

劇場建設に480億円を横浜市全額負担で拠出するなら……最も費用がかかるとされる「給食センター方式(初期設備費用372億円)」ですらクリアできるじゃん!

ただ問題は数十億円にもおよぶ年間の運営費用。

各区の給食センター18ヶ所それぞれに複数テナントを入れて(1ヶ所200万円/月→18ヶ所4億3,200万円/年)、中学生1人あたり給食費月額4,500円(生徒数約7万3,000人×4,500円×10ヶ月=32億8,500万円)、ハマ弁の年間予算10億円弱(給食費を払えない世帯の支援に使う)

……合計年間収入約47億円でイケるんじゃ?…と思うのは浅薄すぎますかね…(*_*) 僕の勝手な妄想です。

【僕の勝手な中学校給食妄想試算】
※給食費は最近給食を導入した川崎市の給食費を参考。
※生徒数は約7万8,000人から、支払えない家庭の生徒さんを約5,000人と多めに見積もって差し引き。
※給食費の「10ヶ月」というのは、夏休みや長期休みを差し引き。

“テナントありきの給食センター”となると、初期設備費用が372億円から跳ね上がるだろうけど、もし480億円を本気で捻出する覚悟があるなら、(家賃収入を見込めるし)その覚悟をハマ弁に向けてもいい気がしますね。

そもそも61街区に劇場を整備する場合、第三セクター等改革推進債などの兼ね合いもあるようですが、周辺施設のように民間施設に売却すれば数十億円の収入になるはずなので、そこの分も損しちゃう…?

参考資料:2020年度第4回 横浜市新たな劇場整備検討委員会 基本計画検討部会資料

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