怒涛の再開発ラッシュに沸くみなとみらい21地区で就業者人口は今年も過去最多を記録。右肩上がりが止まりません。
一方、新型コロナウイルスの影響でこれまで右肩上がりだった来街者数に大きな変化が。
2022年もいくつかの施設が開業し、みなとみらいへの来街者数は約6,680万人(前年比約530万人増)を超え、就業人口も約13万1,000人(前年比約6,000人増)と過去最高を記録したのに加え、事業所数も40社ほど増え約1,890社となりました。
そして現在もみなとみらいの再開発建設ラッシュは続き、みなとみらい最後のピースと言われた60・61街区が完成する2029年頃には、来街者数&就業人口がさらに増えることが予想されています。
横浜市六大事業(1965年)
「横浜市六大事業」の一つ、「都心部強化(みなとみらい21造成)」。
横浜駅と関内・伊勢佐木町という分断された横浜都心部を一体化させる事業計画で、当初は就業人口19万人・居住人口1万人という目標が掲げられていました。
僕にとって“THE横浜市の市長”と聞かれたら「飛鳥田一雄」元市長ですね。
関東大震災に始まり、昭和恐慌、太平洋戦争、GHQによる都心部の接収といった混乱を極める横浜で、1963年、横浜市長に初当選。
そして1965年、横浜市六大事業を提案しました。
- 都心部強化(みなとみらい21造成)
- 金沢地先埋立事業(中心市街地に混在する工場の移転先と勤務者への住宅の確保)
- 港北ニュータウン(スプロール現象防止のため、行政自らニュータウンを建設)
- 高速道路(首都高速道路、保土ヶ谷バイパス、南横浜バイパス)
- 高速鉄道(地下鉄の整備)
- ベイブリッジ
※現在、この6つは形となり、横浜市は次のフェーズ(創造都市構想)に移行しているそうです。
1983年に着工が始まったみなとみらい21地区は、2024年現在も当初の目標就業人口には遠く及んでいませんが、2029年頃のみなとみらい再開発完了後にはどれだけ数字が伸びているか楽しみです。
みなとみらいの来街者数・就業者数[2022年:令和4年データ]
来街者数推移
- 2008年…約5,300万人
- 2009年…約5,400万人
- 2010年…約5,800万人
- 2011年…約5,900万人
- 2012年…約6,700万人
- 2013年…約7,200万人
- 2014年…約7,600万人
- 2015年…約7,600万人
- 2016年…約8,100万人
- 2017年…約7,900万人
- 2018年…約8,300万人
- 2019年…約8,340万人 ※最高記録
- 2020年…約6,040万人
- 2021年…約6,150万人
- 2022年…約6,680万人【最新】
2019年に過去最高記録を叩き出したものの、世界的にコロナウイルスが猛威をふるい、一気に急降下しました。
2019年→2020年の1年間で約2,300万人減少していますから。
みなとみらいの観覧車が放つSTAY HOME。
— 1201@個人的横浜 (@1201yokohama) April 19, 2020
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–#すぐ家に帰りました#StayHome #ステイホーム #ステイホームがんばろう #コロナに負けるな #コロナ#みなとみらい #横浜 #観覧車 #コスモクロック #コスモワールド #コスモクロック21 pic.twitter.com/iJ4Dpd0voY
日本中“STAY HOME”だったあの頃は、街に繰り出すどころではなかったですからね。
就業者数推移
- 2008年…約6万3,000人
- 2009年…約6万7,000人
- 2010年…約7万9,000人
- 2011年…約7万8,000人
- 2012年…約8万9,000人
- 2013年…約9万3,000人
- 2014年…約9万8,000人
- 2015年…約10万2,000人
- 2016年…約10万3,000人
- 2017年…約10万5,000人
- 2018年…約10万7,000人
- 2019年…約11万2,000人
- 2020年…約11万7,000人
- 2021年…約12万5,000人
- 2022年…約13万1,000人 ※最高記録【最新】
新型コロナウイルスで来街者数は激減しましたが、もともと決まっていた再開発は(遅れがあったものの)計画通りに開業を迎え、約6,000人の就業者数増となりました。
みなとみらい21造成当初の就業者人口目標の19万人まで…あと6万9,000人!
【過去データ】みなとみらいに開業した施設
2020年(令和2年)
2019年に開業したばかりの横浜アンパンマンこどもミュージアムや京急ミュージアムも、開業1年で前代未聞のコロナ休業に追い込まれたり、、、そんな大変な真っ只中な2020年には6つの施設が開業を迎えました。
街の景気的に底辺からのスタートとなり、これより下はないという前向きな気持でぜひとも頑張って欲しいものです。
横浜グランゲート
SONYの子会社「ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ」が主要施設となり、他には「TKPガーデンシティPREMIUM横浜駅新高島(仮称)」、飲食店などが入居するびるが、みなとみらい線新高島駅の上にオープンしました。
パシフィコ横浜ノース
正式名称は「横浜みなとみらい国際コンベンションセンター」で、5,000名規模の立食パーティーの開催が可能な国内最大級の多目的ホールも整備。
横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート、ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜
隣接するパシフィコ横浜のコンベンション施設「パシフィコ横浜ノース」と一体となる2つの高級ブランドホテル「横浜ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート」と「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」が誕生します。
パシフィコ横浜や世界最大級の音楽アリーナ「Kアリーナプロジェクト」などにおける世界各国のVIPや要人を誘致するようなハイエンドホテルが整備されることとなります。
KTビル(コーエーテクモビル)
みなとみらい47街区に建設のコーエーテクモゲームス株式会社本社機能が入るKTビル。
同ビルには、ホテル「横浜東急REIホテル」とライブハウス「KT Zepp Yokohama」の2つも入る複合施設となります。
村田製作所みなとみらいイノベーションセンター
KTビルと隣接する場所に村田製作所の新たな研究開発拠点「みなとみらいイノベーションセンター」が設立されます。
低層階には、にぎわい施設が設けられる予定で、建設工事看板には“飲食店舗”と記載もあったので、向かいの横浜野村ビルみたいなイメージ…なのかな?
ぴあアリーナMM
民間企業の単独主導で建設・運営される、国内初の1万人規模の音楽アリーナ。
民間主導ならではの視点から業界のニーズを丁寧にくみ取り、コンサートを観る側と演じる側の双方にとって、その環境や使い勝手を最適化した、新しいアリーナです。
ステージと客席が近く、一体感を感じられる縦長のハコ型構造が特徴。施設内には売店やラウンジを設置、2階には一般の方も利用可能なカフェも併設されています。
ニッサン パビリオン
「ニッサン パビリオン」は、日産の革新的な商品や技術の展示を中心に、同社が描くモビリティの未来もインタラクティブに体感できる施設です。
→【追記】期間限定オープンだったため、すでに閉鎖されています。
2019年(平成31年/令和元年)
2019年もいくつかの施設が開業し、みなとみらいへの来街者数は約8,340万人(前年比約30万人増)を超え、就業人口も約11万2,000人(前年比約5,000人増)と過去最高を記録したのに加え、事業所数も10社ほど増え約1,820社となりました。
みなとみらい周辺で言うともっとたくさんありますが、みなとみらいの来街者数&就業者数の記事のため、みなとみらいの施設限定で紹介します。
資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)
「都市型オープンラボ」として創設された、新研究開発拠点です。低層部には、研究員と利用者が交流できる賑わい施設、中層部から高層部はオフィス、化粧品研究所が設けられています。
■2019年4月開業
延床面積:約 56,000㎡
規 模:地上16階・地下1階、高さ約77m
横浜アンパンマンこどもミュージアム
みなとみらい地区内で営業していた同施設が移転リニューアルでパワーアップしました。ミュージアム、ショップ、レストランを併設
しており、子供も大人も楽しめる空間です。
■2019年7月開業
延床面積:約 14,000㎡
規 模:地上3階・地下1階、高さ約18m
京急グループ本社(京急ミュージアム)
京浜急行電鉄本社およびグループ企業の11社がみなとみらいに移転・結集しました。
1階には「京急ミュージアム」のほか、子育て支援施設として保育所も併設されています。
■2019年9月開業(京急ミュージアムは2020年1月)
延床面積:約25,800㎡
規 模:地上18階・地下1階、高さ約86m
横浜ハンマーヘッド
客船ターミナルとして、商業施設とホテルが一つになった日本初の複合施設です。
「食」をテーマとした体験・体感型/ファクトリー型の25店舗と、全173室のラグジュアリーホテル「インターコンチネンタル横浜 Pier8」を併設しています。街と海をつなぐ、横浜の新しい“海の駅”です。
■2019年10月開業
延床面積:約30,290㎡
規 模:地上5階・高さ約20m
2018年(平成30年)
みなとみらい21地区における、2018年の来街者数は8,300万人、就業者数は10万7,000人でともに過去最多を記録しました。
2018年には、57街区に「市立みなとみらい本町小学校」が開校。
増え続けるみなとみらいの居住人口に対応するように、中区花咲町にある本町小学校から分離新設し、10年間限定で開校した小学校です。
2017年(平成29年)
(写真左から)2017年にはホテルビスタプレミオ横浜が入る「プライムコーストみなとみらい」や「横浜野村ビル」、「オーシャンゲートみなとみらい」などが建設されました。
ほかにも61街区(マリノスタウン跡地)の特設会場で「木下大サーカス」の横浜公演が開催されたり、44街区の再開発事業(ウェスティンホテル横浜が予定)に伴い、暫定商業施設「アルカエフ」のセキチューが閉店したり、クイーンズスクエア横浜内のショッピングエリア「クイーンズイースト」と「アット!」が統合され、「みなとみらい東急スクエア」としてリニューアルオープンもしました。
その効果も相まって、みなとみらいの就業者数が過去最多の10万5000人に到達。これはみなとみらいの都市再開発が始まってから最高の数字。
“昼間人口”を担う来街者数は7,900万人となっています。
みなとみらいの来街者数・就業者数まとめ
みなとみらいは発展を遂げていく途中の街の象徴のような気もします。1859年の横浜開港から、文明開化を経て新しい文化、新しい境地を切り開いていく横浜としてこれからも期待。
横浜開港と言うだけあって、みなとみらい地区周辺の桜木町や横浜駅、日本大通り、馬車道、関内、伊勢佐木町、横浜中華街、元町ショッピングストリート、山手…歴史の切れ端が街の至るところに残っているのも近代的な都市形成と対照的でおもしろいですよ。